人形浄瑠璃 文楽
2回目だった。
人形劇、というのは世界各地にあり、基本的に子供向けと思われている。
日本の伝統芸術である文楽は、始めから、
大人のものとして誕生したに違いないと思っていた。
神道のクニ日本では、ヒトガタと読む人形。
時には、カタシロとなって、私たちに災厄を担ってくれ、川に流されたりもする。
もともと、人形に魂が宿ることを知っていた日本人。
浄瑠璃という語りがあり、琵琶法師がいて、やがて三味線での浄瑠璃が語られ、
魂のこもったモノ語りに寄り添うように人形が登場してゆく。
人形浄瑠璃が文楽と呼ばれるようになったのは、
時代下って寛政年間に大阪でうった興行の小屋が「文楽軒」だったことからだそうだ。
歌舞伎のだしものと同じ演目も多く、それぞれの面白さを興味深く味わえる。
という話を静岡大学の小二田誠治教授にしたら、
近松心中などは、文楽が先にありきで、歌舞伎はそれに倣った演目が作られたのだというから、
当時の文楽人気の華やかさを感じる。
何事も知るということ、体験するということは、これだから面白いね。
いまやユネスコ無形文化遺産として、世界の宝になった文楽。
■Ningyo Johruri Bunraku Puppet Theatre
http://www.unesco.org/culture/ich/index.php?pg=00011&RL=00064
世界の人が驚嘆する日本の文化、文楽を、日本人が見ないのは、もったいない。
静岡では、昨年に引き続いてのグランシップでの上演となった。
昼間と夜ではだしものが違う。
というわけで、昼夜通し券も発売された。
昼間の公演は、忠臣蔵から「おかる勘平」の五段目六段目と、狂言を演じる「釣女」。
夜間は近松門左衛門の最初の世話物「曽根崎心中」。
間の時間には事前申し込み制で、実際の人形遣いを間近に見たり、体験までできる【文楽入門講座】もあった。
先立つ9月18日には、静岡市出身の山川静夫さんが文楽を解説。
初心者でも、ファンにも十二分に楽しめる一連の開催だった。
会場では、久しぶりに浜松在住の知人に遭遇。
昨年見逃して悔しい思いをし、今年はチェックを欠かさなかったのだとか。
もちろん、山川さんの講演にも出向き、大変楽しかったという。
私は昼間の公演に出かけた。
事前のレクチャーがなくとも、きっと、誰しもが楽しめるのではないか。
太夫の語りは聞き取りやすく、字幕は要らない。
朗々たる声、太夫が入れ替わるその個性の違い、これだけ注目していても面白い。
拍子木に続いて「とぉ~ざぁい~~」の声で登場する黒子の、始まりを告げる口上。
3人で操る人形の細やかな動き。息の合った浄瑠璃と人形の一体感。
やがて物語りに入り込んで行くと、どう見ても、人形が人を使っているように見えてくる。
人形が演じているのを、人が手伝っているだけ、という風に見えてくる。
舞台が終わって楽屋に入れば、人形と人とで、
今日のあの場面は、などと反省会をやっていそうな気がするのだ。
3人で操り、相手方の人形遣いとの息を合わせ、浄瑠璃と一体化し、
すべてを阿吽の呼吸でこなしてゆく、その様は、まさに日本らしい舞台芸術。
人情モノの「仮名手本忠臣蔵」と大笑いをした狂言「釣女」、
文楽の異なる表現を見せてもらった、こっくりと味わい深い時間。
来年も静岡での公演が決まっている。
お見逃しなく!
●国立文楽劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
10月22日の番組では、静岡大学の小二田誠二教授を迎えて、文楽話をお送りします。
日本の語り物の歴史もちょこっと登場しますよ。
人形劇、というのは世界各地にあり、基本的に子供向けと思われている。
日本の伝統芸術である文楽は、始めから、
大人のものとして誕生したに違いないと思っていた。
神道のクニ日本では、ヒトガタと読む人形。
時には、カタシロとなって、私たちに災厄を担ってくれ、川に流されたりもする。
もともと、人形に魂が宿ることを知っていた日本人。
浄瑠璃という語りがあり、琵琶法師がいて、やがて三味線での浄瑠璃が語られ、
魂のこもったモノ語りに寄り添うように人形が登場してゆく。
人形浄瑠璃が文楽と呼ばれるようになったのは、
時代下って寛政年間に大阪でうった興行の小屋が「文楽軒」だったことからだそうだ。
歌舞伎のだしものと同じ演目も多く、それぞれの面白さを興味深く味わえる。
という話を静岡大学の小二田誠治教授にしたら、
近松心中などは、文楽が先にありきで、歌舞伎はそれに倣った演目が作られたのだというから、
当時の文楽人気の華やかさを感じる。
何事も知るということ、体験するということは、これだから面白いね。
いまやユネスコ無形文化遺産として、世界の宝になった文楽。
■Ningyo Johruri Bunraku Puppet Theatre
http://www.unesco.org/culture/ich/index.php?pg=00011&RL=00064
世界の人が驚嘆する日本の文化、文楽を、日本人が見ないのは、もったいない。
静岡では、昨年に引き続いてのグランシップでの上演となった。
昼間と夜ではだしものが違う。
というわけで、昼夜通し券も発売された。
昼間の公演は、忠臣蔵から「おかる勘平」の五段目六段目と、狂言を演じる「釣女」。
夜間は近松門左衛門の最初の世話物「曽根崎心中」。
間の時間には事前申し込み制で、実際の人形遣いを間近に見たり、体験までできる【文楽入門講座】もあった。
先立つ9月18日には、静岡市出身の山川静夫さんが文楽を解説。
初心者でも、ファンにも十二分に楽しめる一連の開催だった。
会場では、久しぶりに浜松在住の知人に遭遇。
昨年見逃して悔しい思いをし、今年はチェックを欠かさなかったのだとか。
もちろん、山川さんの講演にも出向き、大変楽しかったという。
私は昼間の公演に出かけた。
事前のレクチャーがなくとも、きっと、誰しもが楽しめるのではないか。
太夫の語りは聞き取りやすく、字幕は要らない。
朗々たる声、太夫が入れ替わるその個性の違い、これだけ注目していても面白い。
拍子木に続いて「とぉ~ざぁい~~」の声で登場する黒子の、始まりを告げる口上。
3人で操る人形の細やかな動き。息の合った浄瑠璃と人形の一体感。
やがて物語りに入り込んで行くと、どう見ても、人形が人を使っているように見えてくる。
人形が演じているのを、人が手伝っているだけ、という風に見えてくる。
舞台が終わって楽屋に入れば、人形と人とで、
今日のあの場面は、などと反省会をやっていそうな気がするのだ。
3人で操り、相手方の人形遣いとの息を合わせ、浄瑠璃と一体化し、
すべてを阿吽の呼吸でこなしてゆく、その様は、まさに日本らしい舞台芸術。
人情モノの「仮名手本忠臣蔵」と大笑いをした狂言「釣女」、
文楽の異なる表現を見せてもらった、こっくりと味わい深い時間。
来年も静岡での公演が決まっている。
お見逃しなく!
●国立文楽劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
10月22日の番組では、静岡大学の小二田誠二教授を迎えて、文楽話をお送りします。
日本の語り物の歴史もちょこっと登場しますよ。